小学校低学年の時は計算問題が苦手じゃなかったのに、高学年になると急にミスが多くなったお子さんもいると思います。
それもそのはずで、小学校4年生からは計算問題も含めて、算数のレベルがグイッと上がってしまうからです。
逆に小学校低学年の段階で計算が苦手だと、レベルが上がる高学年の算数が心配ですよね。
計算は図形や文章題など、すべての算数の単元につながっている大切な基礎。
しかし、計算問題さえしっかり出来るようになれば、たとえ算数への苦手意識が芽生えても、乗り越えられる実力が身につきます。
小学生が計算力をつける3つの方法
計算力をつける方法1:問題をノートに写して解く
計算力をつける方法の1つ目が、問題をノートに写して解くことです。
教科書のように問題の式だけが詰めて書かれている場合はもちろん、ドリルタイプの問題集で計算スペースがある場合でも、問題を自分のノートに移した上で取り組みましょう。
最初にすべての問題を写してしまうのではなく、問題を解くごとに次のものを書いていくようにして下さい。
あらかじめ決められた広さでやるのではなく、たとえノート1ページを丸ごと使うことになったとしても、必要なだけの場所を使って解いていくことが大切です。
計算が何段になっても狭いスペースに詰め込むことなく、常に整然と式が並ぶようにしましょう。
このようにすることで得られる効果は主に次の2つです。
問題もノートに写して解く効果1:考え方を整理することができる
計算問題のミスは、多くの場合、異なる処理をいっぺんに頭の中で行おうとするところから生じます。
ノートで十分なスペースを取って計算していくと、手順を1つひとつに分け一段ずつ確実に進めることができます。
問題もノートに写して解く効果2:間違った時に見直しやすくなる
自分がどう解いたのかを後から振り返りやすいというのが、広いスペースを使い途中計算をしっかり書くことのもう1つの利点です。
これについては次の「間違った時はすぐに消さない」でお伝えします。
計算力をつける方法2:間違った時はすぐに消さない
計算力をつける方法の2つ目が、間違った時にすぐ消さないことです。
答えが合っていなかったらすぐに消して一からやり直していませんか?
ココがポイント
間違った時は最初の行から順番にチェックしていき、どこでミスが有ったのか特定しましょう。
というのも、計算問題に限ったことではありませんが、間違いの中にこそ実力アップにつながるヒントがあるからです。
「どこでつまずいたのか」「次からは何に気をつければ良いのか」など、省みることでミスを減らし着実に前進することができます。
さらに答えが違っていたらすぐに消して、また始めからということを繰り返していると、間違うことに慣れてしまいます。
1つの問題に時間をかけじっくり取り組むことをせず、“やり飛ばす”という悪い癖が付いてしまいがちです。
いつか訪れる入試では一発勝負ですから「間違ったらやり直せばいいや」は通用しません。普段の勉強から問題の1つひとつを大切にする習慣を付けてください。
計算力をつける方法3:筆算は別の紙に書く
計算力をつける方法の3つ目が、筆算は別の紙に書くことです。
これまでお伝えした計算力アップ方法は「思考を整理する方法」と言っても良いでしょう。
計算は単純な処理の積み重ねだからこそ、手順の整理が何よりも重要です。
手順を切り分けて整理するには、まず頭の中が整理されていなければならず、それにはやはり整頓された作業場が大切です。
物がいっぱいで雑然とした机の上で何かの作業をすると気が散りやすくなかなか仕事が捗らないですね。
勉強をする時も同じです。頭脳を回転させようという時に雑然とした走り書きがあちこちに見えるのは良い環境とは言えません。
掛け算や割り算で筆算が必要な時は、要らない紙の裏などを利用して、問題と同じ場所に書かないようにしましょう。
一字一字丁寧に書く必要はありませんが、もし答えが違った時にはこちらもチェックの対象ですから「0か6か自分でも分からない」というのでは困ります。
どうやったのか後で見直すことができる程度にはしておきましょう。
計算力をつけるための家庭学習でお子さんの勉強を見守るときは、以上の3つのことができるように導いてあげられるのがベスト。
もちろんお子さんのやることなので、今すぐできなくてもいいですし、全部が完璧にできなくても構いません。
まずは何か1つでもいいので、計算力をつけるための環境を整えるための家庭学習に取り組んでいきましょう。
小学生の計算力をドリル以外で鍛える手段3選
ドリル以外で計算力を鍛える1:公文式
外部のチカラを使ってお子さんの計算力を鍛える手段の1つが公文式です。
ココがおすすめ
公文式は計算が苦手なお子さんであっても、学年をさかのぼって確実に解けるレベルから学習がスタートするので、どこで躓いたのかを発見しやすいメリットがあります。
もちろん計算ということなら「公文式」ではなく、「そろばん教室」でもいいのでは?と考える親御さんもいると思います。
公文かそろばんなら、私は公文式をおすすめします。
そろばん教室は暗算は得意ですが、「分数や小数」「あまりの出る割り算」など、計算全体を網羅できないデメリットがあるからです。
公文式なら小学校から高校まで、すべての計算を網羅しています。計算ができるようになってくると、先取り学習で上の学年の計算学習にも取り組めますよね。
月謝は塾に比べると安いですが、東京・神奈川で7,700円、それ以外の地域では7,150円かかります。
ドリル以外で計算力を鍛える2:通信教育
通信教育は公文に比べると親御さんのサポートが増えますが、月謝を安く抑えて計算力を鍛えることができます。
ココがおすすめ
通信教育は在宅でできるので、送り迎えの手間がかからないのもメリットですよね
ただ「通信教育は学習量が少ない」イメージを持った親御さんもいると思います。
もちろん紙の通信教育だと学習量に限界がありますが、タブレット型の通信教育なら話は別。むしろ底なしに計算力を鍛えられます。
通信教育で底なしに計算力を鍛えるなら、専用タブレット1台で学習できるスマイルゼミがおすすめです。
というもの、スマイルゼミには算数の無学年学習ができる「コアトレ」で、公文式以上の学習量をこなすことができるからです。
しかも通常の月謝の範囲内で、公文式以上の学習量をこなせるので、コスパを重視する親御さんにも人気です。
デメリットがあるとすれば、専用タブレットを購入する必要があるなど、費用面では紙の通信教育よりも高くなる点。
しかし、長い目でみると、計算力を鍛えて算数の成績アップを目指すには、スマイルゼミが最も利用価値の高い通信教育だと感じました。
ドリル以外で計算力を鍛える3:計算アプリ
計算力を鍛えるには、アプリ活用するという手段もあります。
ココがおすすめ
公文や通信教育とは違い、手軽にゲーム感覚でできるため、計算への苦手意識を持たないようになってもらいたいと考える親御さんに人気です。
ここでは計算力を鍛えられる有料アプリ3つ、無料アプリ3つを紹介します。
人気の有料アプリ1:かける・わる
低学年におすすめなのが、「かける・わる」です。足し算引き算はできるものの、かけるやわるは苦手だという小学生もいます。
このアプリの人気が高いのは、リーズナブルな金額でありながら子供達が楽しみながら計算を学ぶための工夫が随所にされているためです。
ランプの精を助けるゲームや、単語カード形式を取り入れる事により遊びながら自然とかけるやわるを理解できるようになります。
ただし、楽しいゲームばかりに夢中になってしまうという欠点もあります。
人気の有料アプリ2:あんざんマン-小学生算数-
低学年だけではなく、高学年にもおすすめなのが「あんざんマン-小学生算数-」です。
カラフルな服を来たあんざんマンと一緒に、楽しく計算が学べるため苦手な問題にも取り組みやすくなります。
小学校で教わる授業に沿った内容なので、テスト前などにも役立ちます。
ですが、楽しい画面で学ぶ事に慣れてしまうと、実際の授業が退屈に感じてしまうデメリットも考えられます。
人気の有料アプリ3:究極の計算
中学入試を控えている高学年におすすめのアプリです
。過去に有名学校で出題された問題を分析した内容になっているため、計算力が上達しやすいです。
また、パズル形式を取り入れるなどしているため、難しい計算を解くためのコツが楽しみながら覚えられます。
ですが、金額が高いというデメリットもあります。インストールする際には、じっくり考えてから決めるようにしましょう。
人気の無料アプリ1:計算力トレーニング-小学生からできる計算脳トレ
計算の基礎である足し算や引き算、更にはかけ算やわり算が学べるアプリです。
やさしいから難しいまで5段階にわかれているため、低学年から高学年まで幅広く活用できます。
最初はうまくできない計算も、繰り返し行う事で計算力が身につきます。時間制限モードやエンドレスモードなど、自分に合ったトレーニング方法を選べます。
ですが、低学年にとっては操作が難しいかもしれないため、デメリットと感じる人もいます。
人気の無料アプリ2:脳トレ!暗算(数学・計算)
小学3年生からは、難しい計算式も増えてきます。そんな時に暗算ができると、かなり役に立ちます。
脳トレ!暗算(数字・計算)は、暗算機能を上達させてくれるアプリで、間違えやすいポイントも教えてくれます。
2人で対戦しながら学べるため、友達と遊びながら暗算を身につけることが可能です。
しかし、簡単な計算ばかりしていることも想定されるため、使い方によっては暗算が上達しないこともあります。
人気の無料アプリ3:計算力アップトレーニング-計算ゲームで算数を得意にしよう-
計算の練習を毎日するのは、小学生にとってはストレスになる可能性もあります。
「計算力アップトレーニング-計算ゲームで算数を得意にしよう-」は、パズルや計算ピラミッドを使って楽しく計算を覚えることが可能です。
小学1年生からでも学びやすいため、算数や計算が苦手な子にもビッタリです。
ですが、パズルやピラミッドの問題がなかなか解けないと子供がイライラする可能性もあります。
小学生の計算力を強化できる感覚的計算術
感覚的計算術1:もう1つの九九(1から9までの足し算)
かけ算の九九は2年生になると、一生懸命に練習をしますよね。
小学校では九九をすべて覚えて使えるように指導されますし、九九のタイミングに合わせて学校で習う前から暗記に取り掛かるご家庭もあると思います。
ところで、算数にはもう1つ大切な「九九」があることをご存知でしょうか。
それは「1桁の数たす1桁の数」たし算です。つまり「1+1」から「9+9」に至る81組の1桁の数どうしによるたし算を指しています。
言うまでもなく、かけ算の九九は2桁以上のかけ算の筆算、あるいはわり算などその後どんどん難しくなっていく計算に直接関わるものです。
そうした複雑な計算にかつて親御さん自身が苦労した経験があったり、また他のご家庭から体験談を聞いたりということで、その第1関門となる九九をしっかりやらせようとお思いの方は多いでしょう。
また、頑張って練習すればほとんどのお子様は使いこなせるようになります。
逆に言えば程度の差こそあれ、意識的に努力をしなければ覚えられないということもあり、先ほど述べたようなご家庭での取り組みにつながっているという面があると思われます。
しかし「1桁の数たす1桁の数」のたし算であれば、つまずくお子さんはそれほど多くはありません。
例えば「1+3」とか「3+6」のようなたし算は、答えが2桁に及ぶようなもの(「7+9」など)でも、ある程度練習すればたいていはクリアできてしまいます。
特に問題がなければそれについて意識的に努力をする必要もないわけですからそのまま先に進むということになります。
しかし、こうした「1桁の数たす1桁の数」のたし算は、かけ算の九九同様、その後出てくる2桁以上の筆算によるかけ算では必須です。
せっかくかけ算自体はできているのに、たし算で間違ってしまうお子さんは案外多いもの。
たし算を誤ってやらないまでも、そこで少し手が止まってしまう場合まで含めると、そうしたお子さんはかなりの数に上ります。
どんなに複雑な計算でも、結局は1桁と1桁の単純な計算が元となっているわけで、その第一歩にあたるのが1桁どうしのたし算です。
九九を暗唱することは、「考える」というステップを省略して、かけ算することを可能にしてくれます。
たし算もそれと同様に、考えるのではなく数字を見た瞬間に反射的に答えを思い浮かべることができれば、難しい計算でも速く正確にできるようになります。
「たし算を暗記する必要があるのか?」「覚えてしまうのではなく考えることが重要」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
それはごもっともですし、たし算の概念をしっかり身につけることが大切であることは言うまでもありません。しかしそうしたこととは別に、たし算には計算技術としての面もまたあります。
かけ算の九九に入る前に、まず「1桁の数たす1桁の数」のたし算をしっかり練習しましょう。
考えるのではなく反射的に、言葉を変えて言うなら「感覚的」に答えが出てくる状態になるのが理想です。
かけ算の九九と同じように意識的にトレーニングすれば、そうなることは決して難しくありません。
感覚的計算術2:ちょうどの数を作る
「ちょうどの数」というのはそのものズバリ、10とか100、1000といったような数のことです。
例えば「6と足して10になる数は?」と聞かれた時にパッと「4」が思い浮かぶ、そんな感覚をぜひ身につけてもらいたいと私は思っています。
1桁の数どうしで10を作るのは簡単です。「78と足して100」これはどうでしょう?あるいは「389と足して1000」。だんだん難しくなってきますね。
いきなり面倒な問題ではお子様もやる気を無くしてしまいかねません。
まずは1桁どうしで10、次に「60と足して100」のように10の倍数どうしで100、100の倍数どうしで1000というように桁数を増やしていきます。
それらの問題ができるようになったら今度は「75と足して100」「650と足して1000」というふうに5の倍数系統(つまり「ちょうどの数」の半分)を入れていきます。
最終的には「29と足して100」「832と足して1000」のような組み合わせまで進むことができれば上出来です。
こうした問題が直接に問題として出てくることはほとんどありませんが、数字についての感覚を研ぎ澄まし計算力をアップさせるのには良いトレーニングとなります。
ちょうどの数はお金をイメージしてみよう
ちょうどの数の計算、とくに1000以上の数字の計算の場合、お金をイメージするとやりやすくなります。
私の経験では、ただ単に「832と足して1000」と問題を出してもピンと来ないお子さんでも、「832円持っていたらあと何円で1000円?」と聞くと途端にパッと「168円!」と答えられるということがしょっちゅうです。
無味乾燥な数が、100円玉50円玉1000円札といったお金のイメージによってよりいきいきと感じられるからかもしれません。
数についての感覚をつかむことが目的ですから「832円の買い物をして1000円札を出したらお釣りは何円?」という聞き方でも良いでしょう。こちらの方がより答えやすいはずです。
またお金を使った計算練習では、「378円の買い物をするとき、できるだけお釣りに1円玉や10円玉が混じらないようにするには500円玉とあと何円の小銭を出せば良い?」などというのも良いでしょう。
むしろこうした計算の方が普段の生活でおなじみのものかもしれませんね。
感覚的計算術3:2倍と半分
ここまでは1桁どうしのたし算、10や100といった「ちょうどの数」になる組み合わせについて述べてきました。
これらの練習は主に小学校の低学年のお子様に取り組んでもらいたいもの。
「2倍と半分」は小学校の高学年を対象にしたお話です。
ある数字を2倍にするといくつになるのか、あるいはその裏返しとして2分の1すなわち半分にするといくつになるのか。
特に1桁から2桁までの数についてはあまり考えず、ある程度まで感覚的に思い浮かべてほしいところです。
もちろん九九のようにすべて暗記するような性質のものではありませんから、筆算をせずに暗算で処理することができるレベルであれば十分です。
上手く行かないようならこれも「28円を2倍にしたら?」とか「378円を2人で同じ額に分けたら?」というようにお金の問題とすると感覚がつかみやすいでしょう。
考える過程は人によって様々で、本当に何も考えず“感覚的”に答えが思い浮かぶ人もいますし、頭の中で計算をする人もいます。
計算をする場合でも筆算をするのと同じように1の位からかけて行く方法もあれば逆に上の位からかけて後でたし算をする方法もあります。
「上の位からかけていく方法」というのはどのようなものか、「28の2倍」を例としてみましょう。
step
1「28」を「20と8」に分ける
step
2「20×2」で40、「8×2」で16
step
3「40+16」で56
といった感じです。
文字で説明すると随分回りくどいように見えるかもしれません。また「筆算で簡単にできるものをなぜわざわざ」という感想をお持ちの方もいるでしょう。
ところが私の経験では計算の得意なお子さんの多くがこうした方法を使っているのです。
計算の仕方はそれぞれ独自に工夫しており皆同じというわけではないのですが、「頭の中で筆算をしている」のではなく数を自分なりのルールに従ってとらえ処理するという点はほぼ共通しています。
こうした計算方法のもう1つの特徴は、複数の計算を並行して行うことです。
ちょうど電卓のメモリー機能を使うようにはじめの計算結果を一旦記憶して次の計算を行い、最後に両方を足し合わせるということをやるので、そうしたことが苦手な人には少し取っ付きづらいかもしれません。
しかし普段あまりしない脳の使い方を行うのは良い刺激にもなります。毎回そうしたやり方で計算する必要はありませんが、時折チャレンジしてみてもらいたいと思います。
感覚的計算術4:工夫して計算する初級編
ここまでは1桁どうしの数の足し算、「ちょうどの数」「2倍・半分の感覚」など、数についての基本的な感覚についてお伝えしました。
ここからはそうした感覚を使って、どのように計算をするのかということを実際の問題で示していきます。
普通は筆算で計算するような問題を頭の中で済ませてしまうことで、数についての感覚を鍛えていきましょう。
引き算を工夫して計算する
「68-42」という計算は大抵の人が暗算でできるでしょう。答えは「26」ですね。
では「62-48」だとどうでしょうか。先ほどよりも少し考えなければならないかもしれません。
一の位の引き算をするために「隣から借りてくる」という作業が必要になるからです。
感覚的計算術では、まず「62-50」を計算します。これなら楽にできるはずです。答えは「12」。
ただし48を引かなければならないのに50では引きすぎです。その分は戻さなければいけません。
いくつ引きすぎたのかというと48と50ですから「2」。これを先ほどの12に足して「14」となり、「62-48=14」です。
この計算では「ちょうどの数」の感覚を使っています。
別な例として「もう1つの九九」、1桁の数の足し算を使用して解く方法もあります。
「48」の一の位に着目し、これと足して「2」ができる数を思い浮かべると「8+4=12」があります。
そこで「48+4」を考え一の位が「2」になるのと同時に十の位も1増えて「52」。一の位が同じなら引き算は簡単です。
「62」と「52」の差は「10」。元の「48」に足した「4」と合わせて、結局「62」と「48」の差は「14」です。従って「62-48=14」となります。
かけ算を工夫して計算する
次に掛け算をやってみましょう。例題は「27×25」です。
実はこの「25」というのは少し特別な数で、「100」の半分のまた半分という意味を持っています。
「×100」の計算は簡単ですね。「×50」はその半分ですから、例えば「67×50」は「67×100=6700」の半分、つまり「3350」と考えられます。これは「2倍・半分の感覚」の応用です。
「6700」の半分がイメージしづらいならば、「6000」の半分と「700」の半分を合わせたもの、すなわち「3000+350=3350」とすると少し簡単かもしれません。
あるいは「6700円を2人で等分すると?」と考えるのも良いでしょう。
さて「27×25」ですが、ここまででもう予想がついた人もいるのではないでしょうか。
「×25」は「半分の半分」というイメージであることが鍵です。実際にやってみると、
step
127×100=2700
step
22700を半分にして1350
step
32さらに半分にして675
答えは「675」となります。
途中「÷2」ではなく「半分にして」と書いたのは、計算をより生活実感に近い方法で捉えるためです。「÷2」と考えたほうがやりやすければそれでもけっこうです。
工夫して計算する初級編まとめ
このブロックでは「感覚的計算術」の実践例として、引き算と掛け算を1題ずつ解いてみました。
「わざわざそんな面倒なことをしなくても筆算をすればすぐ計算できるのに」とお思いの方もいらっしゃるでしょう。もちろんそれはそうです。
ここでの目的は計算そのものではなく、自由な発想で工夫しながら数を処理していく方法を身につけることにあります。
そのためにはこうした一種の“遊び”のようなやり方はとても有効なのです。
小学生が計算力をつける方法まとめ
さいごに計算力をつける方法3つと、計算力を強化できる感覚的計算術をまとめておきます。
計算力をつける方法
- 問題をノートに写して解く
- 間違った時はすぐに消さない
- 筆算は別の紙に書く
ドリル以外で計算力を鍛える
- 公文式
- 通信教育(スマイルゼミ)
- 計算アプリ
計算力を強化できる感覚的計算術
- もう1つの九九(1から9までの足し算)
- ちょうどの数を作る
- 2倍と半分
計算力は一朝一夕には身につきませんよね。
ただ中学高校になっても、計算力は必ず求められる基礎的な学力です。
まずは無理のない範囲で、できそうなことから取り組んでみてはいかがでしょうか。
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