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中高一貫校のメリット・デメリットや適性検査の対策など

中高一貫校のメリット・デメリットや適性検査の対策など

高校受験をパスできて、柔軟なカリキュラムで早くから大学入試を見据えられる中高一貫校。

中高一貫校は、公立なら学費も含めた費用も安く収まることから、年々人気が高まっていますよね

とはいえ、中高一貫校がどんなところなのか、意外と知らない部分も多いのではないでしょうか。

さや
この記事では、中高一貫校のメリットやデメリット、公立の適性検査など、目指す前に知っておきたい基本的な知識をお伝えします。

中高一貫校のメリット

中高一貫校のメリット

中高一貫のメリット1:環境変化のストレスがない

中高一貫校のメリット1つ目が、環境変化のストレスがないこと。

特に友達や先生などとの人間関係は、いちど構築すれば6年間変わりませんよね。もちろんクラス替えで友達や担任は変わります。

ただ高校受験がないこともあり、部活や好きなことにも打ち込みやすい環境は、お子さんだけではなく周りも同じ境遇です。

大きな環境の変化がない中高一貫校は、環境の変化に敏感なお子さんにおすすめです。

中高一貫のメリット2:学力のばらつきがない

中高一貫校のメリット2つ目が、学力のばらつきがないこと。

地元の中学校に進級した場合、クラスメイトの学力ばらつきが大きいことも十分考えられますよね。

学力のばらつきが大きいと、学習進度やレベルが学力の低いお子さんに偏りがちになってしまいます。

しかし、中高一貫校は同じ選抜基準で選ばれた生徒同士がクラスメイト。

ココがポイント

ある意味、学力の信用保証があれば、先生にとっても授業をしやすいですよね。

学力のばらつきがない中高一貫校なら、自然と周りの生徒と切磋琢磨できる環境に身を置けます。

中高一貫のメリット3:大学受験を視野に勉強できる

中高一貫校のメリット3つ目が、大学受験を視野に勉強できること。

高校受験の前提がなく、一般的な学習指導要領の影響を受けない中高一貫校は、カリキュラムが柔軟に組まれています。

その柔軟なカリキュラムの見据える先は大学受験。

さや
おおむね高校2年までに全てのカリキュラムをやり終えて、高3の1年間は志望校対策に特化した勉強もおこなえます。

中高一貫校のデメリット

中高一貫校のデメリット

中高一貫校のデメリット1:選択肢が少なく倍率が高い

中高一貫校のデメリット1つ目が、選択肢が少なく選べる学校が少ないこと。

特に公立の中高一貫校は、原則1校しか受検できず、倍率も5倍はくだらない狭き門です。

もし私立と併願するとしても、公立の適性検査とは学習対策が異なることが、選択肢をさらに少なくする要因なんですよね。

しかし、近年では公立中高一貫校は増加傾向で、平成25年度の450校から平成28年度には595校となっています。

また、おもに公立中高一貫校の近隣私立で、適性検査型の入試を取り入れるところが増えています。

が、中高一貫校は公立1本で頑張りたい場合は、選択肢が少なく倍率が高いことへの覚悟はまだまだ必要です。

中高一貫のデメリット2:落ちこぼれるリスクがある

中高一貫校のデメリット2つ目が、落ちこぼれるリスクがあること。

クラスメイトや学年で学力がばらつかないぶん、中高一貫校ではちょっと差でも大きな差になってしまいます。

例えば、大学受験で推薦枠を狙うなら、求められる評定基準は満たしておきたいですよね。

しかし、テストの点数がちょっとの差でも、相対評価の世界では4が3に、3が2になることが起こりえます。

さらに一貫校は授業のスピードが早いので、理解が追いつかないまま取り残されるケースもあります。

優秀だった小学生の頃と比較して、親も子も落ち込むこともあるかもしれません。

学力レベルの高い環境のどこかには、落とし穴があるかもしれないことも想定しておきたいところです。

中高一貫のデメリット3:校風があわないと6年は長い

中高一貫校のデメリット3つ目が、校風があわないと6年は長いこと。

望んで入ったはずなのに、いざ学校生活が始まると、校風があわないと感じこともありますよね。

学校生活になじめない時間が長くなると、さすがに内部進学を諦めて、別の高校を受験するケースも頻繁とは言えないまでも、どこの学校でも見受けられます。

そうした場合、まず中高一貫校のメリットを無にすることになりますよね。

また地元の中学校から高校へ進学するパターンと比べて、学校への申し出や手続きの依頼などの面で、より大きな手間とエネルギーを割かれることになります。

中高一貫校の3つのタイプと設置状況

中高一貫校の3つのタイプと設置状況

タイプ1:中等教育学校

中高一貫校の1つ目のタイプが中等教育学校。

中等教育学校では、完全に1つの学校の中で中高一貫教育がおこなわれます。

教育の課程は中学校・高校という区分ではなく、前期課程・後期課程として組まれるのが大きな特徴。

開校当初などを除いて、後期課程への生徒募集は通常行われません。

逆に、前期課程を修了した後に後期課程へ進まず他校を受験することは可能です。

タイプ2:中学校・高校併設型

中高一貫校の2つ目のタイプが中学校・高校併設型。

同じ設置者が中学校と高校を運営し、高校への進学時に選抜を行いません。

タイプ1と2では、相互に関連する事柄について高校の学習内容を中学校に移行させて実施する「入れ替え」が認められているなどカリキュラムに弾力性があり、より効果的な学習が行えるように配慮されています。

タイプ3:中学校・高校連携型

中高一貫校の3つ目のタイプが中学校・高校連携型。

中学・高校の設置者が同じ場合も異なる場合もあります。

「併設型」との違いは高校進学時に入学者の選抜があることですが、これは調査書や学力検査の成績以外の資料でおこなわれることもあります。

連携型では高校進学時に選抜があるため、中学校の生徒が必ずしも連携する高校へ入学できるとは限りません。

6年間一体としての教育が保証されていないことから、中学校と高校の内容の入れ替えができないなど、中等教育学校や併設型に比べるとカリキュラム編成には制限があります。

しかし、中学校での必修教科の時間数を減らして、その分を替わりとなる選択教科の時間数の増加に充てることができるなど、中高一貫教育の特色をもった課程編成をすることが認められています。

中高一貫校の設置状況の変化

少子化で学校が統廃合されている現状の中でも、中高一貫校の設置状況は増加傾向になります。

中等教育学校・併設型・連携型の設置状況は平成25年度と平成28年度の比較では、次のようになっています。

平成25年度平成28年度
中等教育学校国立 4国立4
公立 29公立31
私立 17私立17
併設型国立 1国立1
公立 74公立87
私立 243私立373
連携型国立 0国立0
公立 81公立80
私立 1私立2

参照:文部科学省公表の中高一貫校の推移

上に挙げた数字は文部科学省の調査によるもの。

この調査の対象外ではあるものの、高校に一般入試を受けずに進学することができるいわゆる「内部進学」の制度を持つ学校もあり、こちらも「中高一貫校」と呼ぶことがあります。

また、高校段階での生徒募集を行わず、併設する中学校の生徒をそのまま入学させるタイプの学校もあって、これは実質的に中等教育学校と同じと言えます。

3つのタイプの中では、公立と私立の併設型の中高一貫校の設置数が伸びていることがわかります。

公立中高一貫校の適性検査とは?

公立中高一貫校の適性検査とは?

適性検査であって学力検査ではない

実は公立の中高一貫校では「学力検査」を行いません。

これは文部科学省が規定する中高一貫教育の趣旨が、中等教育の多様化の推進や生徒一人一人の個性を重視した教育の実現を目指すというところにあり、受験準備に偏った教育あるいは受験競争の低年齢化を招くことを避けるという観点からです。

では公立中高一貫校では筆記試験がないのかというとそうではありません。

施設やスタッフなど教育態勢が充実しており入学希望者全員を受け入れられれば良いのですが、実際にはそうはいかないでしょう。

入学者を選ばなければならないのなら何らかの選抜方法が必要です。その一つとしてとられるのが「適性検査」ということになります。

適性検査の形式について

適性検査の形は学校によってさまざまです。

一般的に言えるのは、小学校で学習する内容に沿った上で、国語・算数といった教科の枠に捕らわれない横断的・融合的な問題で思考力を見るものが多いということです。

具体的に言うと、表やグラフ、文章などの資料を示して「読み取る力・分析する力」を確かめ、さらにそれに対してどのように考えるのか「自分の考え・意見を表現する力」を試す問題が出題される傾向にあります。

適性検査対策

適性検査は点数化され選抜判定に使われます。ですから公立といえども実質的には筆記による入試を行っているのと同じと言って良いでしょう。

やっかいなのは、先ほども述べたように問題が教科横断的・融合的に作られることが多いという点です。

国語や算数など教科単体の成績が良くてもそれだけでは十分でなく、それらを統合しまとめる力がまた別に必要となってきます。ではどんな点に気をつけて準備をすべきでしょうか。

適性検査対策1:小学校の授業内容をしっかり身につける

公立中高一貫校の適性検査対策の1つ目が、小学校の授業内容をしっかり身につけることです。

適性検査では「分析力」「表現力」などに目が行きがちですが、そうした応用的な力を支えるのは普段の学習内容であり、その基礎がしっかりしていなければならないことは言うまでもありません。

適性検査対策2:過去問は必ずやっておく

公立中高一貫校の適性検査対策の2つ目が、過去問は必ずやっておくこと。

学校ごとに多様である適性検査ですが、その学校が望む生徒像に合わせて作られるために毎年の問題に一定の傾向が出てきます。

過去の問題は必ず解いておきましょう。ほとんどの場合、学校のウェブサイトや担当教育委員会のウェブサイトで過去数年分の問題を入手できます。

適性検査対策3:普段から考える練習をする

公立中高一貫校の適性検査対策の3つ目が、普段から考える練習をすること。

単純に知識を蓄えるだけではなく、それを使って考えるトレーニングも必要です。

日常生活の中で「なぜ?」「自分だったら?」と自らに問いかける習慣をつけると良いでしょう。

適性検査対策4:書く練習をする

公立中高一貫校の適性検査対策の4つ目が、書く練習をすること。

自らの考えや意見を持つことと同時に、それを他者に伝える能力を鍛えることも必要です。テーマは何でも構いません。

例えば、自分が好きなスポーツやゲームのルールみたいなことでもOK。

あるいはスマートフォンのアプリの使い方など、まったくの初心者にどのように説明したら良いか考えて、文章として書いてみるといったことをやってみてください。

書くのに慣れてきたら、できるだけ簡潔に述べる練習もしてみましょう。

小学生にとってある程度の長さの文を書くのは難しいことですが、逆に制限された文字数の中でまとめることも実は難しいのです。

中高一貫校からほかの高校を受験するときの注意点

中高一貫校からほかの高校を受験するときの注意点

ここでは他校受験を検討する際の判断材料として、系列高校以外を受ける際に注意点を挙げてみましょう。

ほかの高校を受験するときの注意点1:カリキュラムの問題

中高一貫校からほかの高校を受験するときの注意点1つ目が、カリキュラムの問題です。

中高一貫校のカリキュラムはそもそも高校受験を前提として組まれていないため、進度の面でもまた内容的にも入試問題に対応していません。

多くの中高一貫校では中学段階に高校の内容の一部を繰り入れられており、そのため普通の中学校よりも授業のレベルが高度で勉強が大変です。

またそうした通常は高校で学習する内容は、高校入試に直接関係しない部分もあります。

受験とは直接結びつかず、しかも難しい内容の授業を受け、そのための予習・復習、定期テスト対策をしながらさらに受験勉強をしなければならないというのは時間的にも精神的にもかなり大きな負担です。

ほかの高校を受験するときの注意点2:内申点の問題

中高一貫校からほかの高校を受験するときの注意点2つ目が、内申点の問題です。

あくまでも一般論ですが、公立中学校では勉強ができる生徒からあまり得意ではない人まで、クラスの中で学力のばらつきが大きいですよね。

定期テストの問題レベルや評価基準などの点から、ある程度の学力を持っていれば内申点を取りやすいと言われています。

各高校での合否判定方式にもよりますが、やはり内申点が高ければ受験に有利なのは事実です。

特に公立高校を志望する場合は内申点に気をつけなければなりません。

しかし、公立でもテストの得点に比重をおいて判定する独自枠を持っている学校もありますので、志望校決定前に情報を十分に集めましょう。

ほかの高校を受験するときの注意点3:サポート体制の問題

中高一貫校からほかの高校を受験するときの注意点3つ目が、サポート体制の問題です。

カリキュラムについて、中高一貫校の授業は高校受験を前提としていないために入試に対応していないという問題を先ほど挙げました。

受験に関する情報やサポートも、同様の理由で学校に期待することはできません。

極端な例では、私立中学に通う方が他校の受験を学校に伝えたところ「他の学校を受けるなら公立中学に転校してください」と言われたという話も聞いたことがありますが、こうした例はごく稀だと思います。

多くは「必要な書類などは用意しますが、受験対策の勉強や情報収集はご家庭で独自に行ってください」といったスタンスでしょう。

いずれにしても積極的にサポートしてもらえるとは考えないほうが良いです。

学校によっては内部進学を放棄しなければならない、つまり系列高校の受験ができなくなるといったケースもありますし、受験が可能でも外部からの一般受験生と同じ扱いとされる場合も多いようです。

ほかの高校を受験するときの注意点4:対策方法の問題

中高一貫校からほかの高校を受験するときの注意点4つ目が、対策方法の問題です。

これまで述べてきたカリキュラムやサポートの問題を解決するためには、やはり学校とは別に塾を利用するのが現実的な選択と思われます。

受験勉強のノウハウがあり地元各校の情報も蓄積されているというのは大きな強みであり、それらを利用することができるなら、外部の高校を受験するのに直面する問題のかなりの部分を減らすことができます。

また内申点を少しでも高くしたい、あるいは高校入試と直接関係ない授業内容を避けて受験勉強に集中したいということで、中高一貫校から公立中学へ転校するという人も実際に居ます。

ただし、内申点に関して言うと、公立中学だから必ず今までよりも上がるというわけではありません。

自分の現在の学力で該当地域の公立中学へ行った場合どの程度の成績が取れるのかを慎重に検討する必要があります。

こうした面についても、塾に相談することで客観的な意見を得ることが期待できます。

ほかの高校を受験するときの注意点まとめ

中高一貫校に入学したものの、何かの理由で系列高校に進学せず、他校を受験するのは決して珍しいことではありません。

せっかく中高一貫校に入ったわけですから、高校卒業時までその中でじっくり学ぶことができるならそれに越したことはないでしょう。

しかし継続するのに困難を感じながら、6年間を過ごさなければならないとしたらそれはかえって不幸なことです。

新しい環境へ踏み出すには高校受験というのは格好の機会でもありますから、様々な事情を考慮した上で他の高校を受けたほうが良いと判断したなら意志をしっかり持って迷わず進みましょう。

中高一貫校のメリット・デメリットまとめ

中高一貫校のメリット・デメリットまとめ

さいごに中高一貫校のメリットとデメリットまとめておきます。

中高一貫校のメリット

環境変化のストレスがない

学力のばらつきがない

大学受験を視野に勉強できる

中高一貫校のデメリット

選択肢が少なく倍率が高い

落ちこぼれるリスクがある

校風があわないと6年は長い

中高一貫校は公立か私立かでも対策が異なるので、早め早めに情報を入手して対応していきたいですね。

 

 

 

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