家庭学習は学んだことの理解促進だけではなく、中学・高校で自学自習できる準備のためにも大切な習慣になりますよね。
ただ小学生のお子さんにどう教えればいいか、悩む親御さんもいると思います。
塾の講師や家庭教師の経験があるにもかかわらず、私も自分の子どもを教えるとなると、つい感情的になってしまう反省から教えるときのルールを設けるようになりました。
そのルールとはまず自分がイライラしない、そして子供の勉強の邪魔をしない。
子どもに勉強を教える際は、そんなスタンスで家庭学習にかかわっています。
では自分がイライラしないために、子どもの勉強の邪魔をしないためにどんなことに気をつけているのか。
このページでは家庭学習で小学生へ勉強を教えるときのコツを備忘録も兼ねてお伝えします。
小学生への勉強の教え方について
勉強の教え方1:小学校でのやり方を尊重する
家庭学習における親の教え方で大切なことの1つ目が、小学校でのやり方を尊重することです。
実は親御さんが教えることが、かえってつまずきの原因となる場合があります。
最も起こりやすいのは、小学校のやり方と親御さんのやり方が違っていて、お子さんが迷ってしまうケース。
例えば、繰り上がりのある足し算を筆算でやる時、繰り上がった数字をどこに書くのか。
そんな些細なことでも、お子さんにとっては混乱を引き起こす種になります。混乱を放置していると、計算そのものができなくなってしまうこともあります。
親は勉強を教えるプロではありませんよね。
勉強の教え方2:教えすぎない
家庭学習における親の教え方で大切なことの2つ目が、お子さんに教えすぎないことです。
教えることに一生懸命になりすぎて、気付いてみたらほとんど親からのヒントで問題を終わらせていたという経験はないでしょうか?
親からのヒントも出し方やタイミングを間違うと、お子さんが自分で考える機会を奪うことにつながります。
お子さんによっては「ヒントありき」の家庭学習を重ねるうちに、他人からの指導に依存し「指示待ち」の状態になってしまう場合があります。
自分から問題解決にあたることをせず「待っていれば教えてもらえるだろう」と受け身の姿勢に陥ってしまうのです。
いつもと同じ所で引っかかっているのを傍で見ていると、つい苛立って口を出したくなりますよね。
小学校高学年のお子さんに勉強を教える際は、「教えすぎない」「自ら主体的に考えるよう根気強く待つ」ということも必要です。
勉強の教え方3:生徒役になる
家庭学習における親の教え方で大切なことの3つ目が、親御さんが生徒役になってあげることです。
通信教育や宿題など、親御さんが勉強を教える方法の1つとして、親御さんが生徒役となり「教えてもらう」という形があります。
お子さんに教えてもらうといっても、本格的な「学校ごっこ」ではなく簡単な「質疑応答形式」で構いません。
例えば、一緒に問題を解いてみて「ここはどんなふうにやればいいの?」「上手くいかないけれどどこがマズイのかな?」と、お子さんにやさしく質問してみてはいかがでしょうか。
ココがポイント
人は質問されるとつい考えてしまうもの。親御さんが生徒役になって質問することは、お子さんに考える機会を与えることにもつながります。
お子さんの説明で理解度が把握できる
「自信ありげに話せているか」「順序よくスムーズに伝えられるか」など、親御さんが生徒役になって説明を聞けば、お子さんの理解度がどの程度なのかも把握しやすくなります。
問題を解く方法を伝えることによって、お子さんの中であやふやなままになっている部分がはっきりとしてくるからです。
お子さん自身も自分で何が分かっていないのかを意識できるようになります。
このような学習方法は意外と効果があるのですが、学校や塾ではあまり取り入れられることはありません。
集団授業ということで形式上難しいということもありますし、お子さんの立場だと「先生」に教えるというのはなかなかハードルが高い行為ですよね。
しかし、こうした場面こそ親御さんの出番と言えます。
「教学相長」あるいは「教うるは学ぶの半ば」という言葉があるように、教えるということは実は教える側にとっても良い勉強になります。
勉強の教え方4:お子さんの様子をよく観察する
家庭学習における親の教え方で大切なことの4つ目が、お子さんの様子をよく観察しておくことです。
というのも、勉強したところを理解したかどうかを確認するには、言葉よりも表情や仕草のほうによく表れるからです。
ココが観察ポイント
- スラスラ解いているか、つまずきながら解いているか
- いつも通りの字か、いつもより汚い字か
- 落ち着いているか、落ち着かない感じか
観察ポイント1:スラスラ解いているか、つまずきながら解いているか
取り組んでいる問題の本質を理解しているかどうかは、スラスラ解けているかを観察しているとわかります。
ココがポイント
つまづきながら解いている問題はたとえ正解していても、親御さんのほうから「どんなところが難しかった?」と聞いてあげるといいでしょう。
逆にスラスラ解いているのに不正解だった問題は、計算間違いや勘違いなどの単純ミスであることがほとんど。
「検算する」「問題文をよく読む」などの習慣がつくように導いてあげたいですね。
その際にも教え方3でお伝えした、生徒役になって質問するのが効果的です。
観察ポイント2:いつも通りの字か、いつもより汚い字か
問題を解いているときの字も観察ポイントとして重要です。
いつもより字が汚いときは、おおむねマイナスのシグナルが出ていると思ったほうがいいでしょう。
字が汚いときのシグナル
- イヤなことを早く済ませたい焦り
- やらされていることへの抵抗感
など、いつもより字が汚いときは勉強が投げやりになっているケースも少なくありません。
投げやりな勉強は定着にも影響を及ぼしますよね。
勉強したことを効率良く定着させるためにも、投げやりな態度になってしまうのは避けたいところ。
「いつもより」字が汚いと感じたら、「きれいに書きなさい」と促すよりも、少し立ち止まって汚くなる要因を明確にしたいところ。
「勉強が難しすぎないか」「勉強が終わった後にやりたいことは何か」など、字が汚くなる要因を確かめたほうが対処が適切におこなえます。
観察ポイント3:落ち着いているか、落ち着かない感じか
お子さんの勉強の様子をみるときは、落ち着きがあるかないかを観察することも大切です。
勉強を始めたばかりなのにキョロキョロして何も進まないときは、「どこ見てる?」といった声がけで集中力を高めてあげると落ち着きを取り戻せます。
逆に勉強が進んだ後に落ち着かない態度だった場合は、勉強を切り上げたり早めに休憩するのがおすすめです。
というのも、家庭学習で親御さんとマンツーマンで勉強するのは意外と疲れるからです。
例えば、30人クラスのであればお子さんと先生の関係は「1人対30人」で、お子さんにかかるプレッシャーも「30分の1」で済みます。
しかし、家庭学習で親御さんと対峙する場合は「1人対1人」で、プレッシャーの全てがお子さんにかかります。
家庭学習は意外と疲れるという観点があれば、お子さんが落ち着かない感じのときでも落ち着いて対処できますよ。
勉強の教え方5:間違いをすぐ指摘しない
家庭学習における親の教え方で大切なことの5つ目が、間違いをすぐに指摘しないことです。
プリントをぐしゃぐしゃにしたり、鉛筆で塗りつぶしたりするなど、間違いを指摘したら感情的な振る舞いをするお子さんもいると思います。
初めて習うことや苦手な単元の勉強には、間違いが付きものです。
ただお子さんが間違えた箇所やレベルによっては、わかっていてもすぐに指摘したくなりますよね。
とはいえ、お子さんを正しい方向に導くためであっても、間違いをすぐに指摘しないほうが賢明です。
なぜなら問題の間違いを指摘されただけなのに、全人格を否定されたように受け止めるお子さんも多いからです。
お子さんに間違いを指摘するときは、その答えを出すに至った経緯を想像したり尋ねたりしながら、部分的にでも褒められるポイントを見つけてあげることが大切。
ココに注意
間違いをすぐに指摘すると、お子さんのモチベーションを下げる要因にもなります。
「答えは間違っているけど、考え方は間違ってない」「問題を解くプロセスの途中までは合っている」など、まずは正しさを褒めてから間違った原因を指摘するようにしましょう。
間違いの指摘は外部の力に頼るのもあり
間違いの指摘はフィードバックなので、学力アップには欠かせないことですよね。
とはいえ、間違いの指摘で感情的な衝突が絶えないようでは、今後2つのことが心配です。
ひとつが親子関係のこと、もうひとつがお子さんが勉強嫌いになるかもしれないこと。
親御さんの場合、理解してない子どもにイライラして、学習指導とは関係ないことまで蒸し返して追い込んでしまうことがありますよね。
お子さんが泣いてしまうほどのことが続くと、さすがに親子関係も勉強もイヤになってしまう可能性があります。
子どもの勉強を見てあげるほどの親御さんですから、どちらの結末も本来は望んでないはず。
そこで外部の力に勉強を見てもらうことも考えてみましょう。
塾や家庭教師という手段もありますが、家庭学習なら通信教育だと比較的安価な料金で学力を伸ばせます。
中でもタブレット1台で家庭学習がおこなえるスマイルゼミなら、間違った箇所を機械的に指摘してくれるので、フィードバックでお子さんが傷つくこともありません。
学習履歴もデータとして蓄積され、お子さんの苦手な単元ややるべき課題も、機械的にスマイルゼミが提案してくれますよ♪
ゲーム感覚で勉強でききるうえに学習習慣がついて、親子の適切な距離感も保てるスマイルゼミ。
親子の感情的な衝突もなくて、勉強嫌いになる心配もないなら、検討してみる価値は十分にあると思います。
勉強の教え方6:本人以外と比較しない
家庭学習における親の教え方で大切なことの6つ目が、お子さん本人と誰かを比較しないことです。
お子さん以外の誰かと成績や学力を比較すると、あいつにさえ勝てばいいという考え方になり、負けたときには自信を失う可能性があるからです。
兄弟で同じ育て方をしていても、得意科目や学力が異なることがありますよね。
また学校で仲のいい友達の成績はいいのに、なぜわが子は成績が悪いのかと、つい余計な比較をしてしまうことがあります。
しかし、勉強はお子さん本人のためにやるものなので、誰かに勝てばOKというわけでもありません。
小学生への勉強の教え方についてのまとめ
さいごに小学生の家庭学習で、イライラしないために大切な親の教え方についてまとめておきます。
小学生への勉強の教え方
- 小学校でのやり方を尊重する
- 教えすぎない
- 生徒役になる
- お子さんの様子をよく観察する
- 間違いをすぐに指摘しない
- 本人以外と比較しない
いずれもわかっているようなことですが、いざ自分が親となって対峙したときに実践する難しさを感じるものばかりですよね。
お子さんの家庭学習につい前のめりになってしまう親御さんは、ほんの少しお子さんとの距離感を保てるように気をつけたいところ。
いきなり無理せずに、まずは上記6つのうち1つでも実践できるように意識してみてはいかがでしょうか。
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